翻訳しました:RDS for SQL Server FAQ
本記事はAmazon Web Servicesが公開しているドキュメントを筆者が許可を得ずに翻訳したものです。そのため、本記事は著作権者の求めに応じて、予告無しに削除される場合があります。また、本記事は参考訳になりますので、翻訳内容が間違っている可能性があります。特に製品ライセンス関連の記述に関しては最新の英語ドキュメントの情報をご確認ください。
はじめに
RDS for SQL Serverの問い合わせが最近多くなったのと、RDS for SQL ServerのFAQが日本語訳されていないので、日本語訳してみました。
元のFAQは下記になります:
・SQL Server Database Engine - Amazon Relational Database Service
http://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/UserGuide/RDSFAQ.SQLServer.html
(※ほんとにRDS for SQL ServerのFAQは日本語版はないの?という方はこちらのSQL Serverのところをご確認下さい。)
SQL Server Database Engine FAQ
ライセンスとサポート
Amazon RDS for SQL Serverではどのタイプのライセンスオプションが利用できますか?
現在、下記のライセンスオプションがAmazon RDS for SQL Serverを用いる場合に利用可能です。
- ライセンス込み:「ライセンス込み」サービスモデルでは、Microsoft SQL Serverライセンスを別途購入する必要はありません。「ライセンス込み」価格はSQL Serverソフトウェア、関連するハードウェアリソース、Amazon RDS管理機能を含んでいます。
- License Mobility with Software Assurance(BYOL):Microsoft License Mobilityプログラムにより既にSQL Serverライセンスをお持ちのお客様はAmazon RDS上のSQL Server配備を動作させることが可能です。これはアクティブなMicrosoft Software Assurance (SA) 契約によってカバーされるMicrosoft Volume Licensing (VL) のお客様が利用可能です。Microsoft License Mobilityプログラムは既存のSQL Serverライセンスを使いたいお客様やMicrosoftから直接新規のライセンスを購入したいお客様に適しています。現在、SQL Server Standard Edition、SQL Server Enterprise Editionがこのプログラムの対象です。しかし、最新のライセンス条項に関してはMicrosoftのライセンス情報(日本語サイト)をご確認下さい。
ライセンス・モビリティが使えるかどうかをどうやって知ることができますか?
Amazon Web Services上でのライセンス・モビリティに関する情報は、Microsoft License Mobility through Software Assurance for Microsoft Windows Server Applications on AWSをご確認下さい。
Amazon RDS for SQL ServerではSQL Serverのどのバージョンとエディションが利用できますか?
現在、RDS for SQL ServerではSQL Server 2008 R2をサポートしています(原文ではうたわれておりませんが、2012/09/26よりSQL Server 2012もサポートされています)。下記データベース・エディションがRDS for SQL Serverを通じて利用することが可能です。
- ライセンス込み:SQL Server Express(追加ライセンス費用無し)、SQL Server Web Edition、SQL Server Standard Edition
Microsoftの利用規約に従い、SQL Server Web Editionはパブリックでインターネットにアクセス可能なWebページ、Webサイト、Webアプリケーション、Webサービスをサポートする場合のみで利用可能です。追加情報は、Microsoft Service Provider Usage Rightsをご確認下さい。 - License Mobility with Software Assurance(BYOL):SQL Server Standard Edition、SQL Server Enterprise Edition
Amazon RDS for SQL Serverはどのようにサポートされますか?
AWSサポートに入っているアカウントをお持ちの場合、Amazon RDSとSQL Serverどちらに関連するリクエストもAWSサポートに行うことができます。Amazon Web ServicesとMicrosoftは双方の組織から支援が必要なケースに対してのマルチベンダー・サポート・プロセスを持っています。
一つのSQL Server DBインスタンスにおいて作成可能なSQL Serverデータベース数の上限はいくつですか?
単一のSQL Server DBインスタンスでは最大30データベースまで稼働させることが可能です。
スケーリング
Amazon RDS for SQL Server DBインスタンスのストレージはスケール可能ですか?
Windows Serverにアタッチされたstriped storageの拡張制限により、Amazon RDSは現在ストレージ容量の増加には対応していません。現在、将来のストレージ容量の増加予想に基いて予め容量見積りを行う事を推奨しています。もし、SQL Server DBインスタンスのストレージを増やしたい場合は、データをエクスポートして頂き、ストレージ容量を増やした新しいDBインスタンスを作成し、そこにデータをインポートして下さい。追加情報は、Amazon RDS Server Data Migration guideを参照して下さい。
DBインスタンスはスケール可能ですか?
License Mobility (Bring Your Own License)の場合、Microsoft SQL Serverライセンス条項に従ってDBインスタンスをスケールすることが可能です。
ライセンス込みモデルの場合、SQL Serverで稼働しているDBインスタンスはいつでもスケールアップ・ダウンすることができ、各DBインスタンスクラスに対する現在の時間価格が適用されます。リザーブドDBインスタンスのスケーリングに関する影響に関する追加の情報は、リザーブドDBインスタンス FAQをご確認下さい。
現在稼働しているDBインスタンス上のSQL Serverのエディションを変更することは可能ですか?例えば、SQL Server Web EditionからSQL Server Standard Editionへ変更可能ですか?
はい。エディションを変更し、かつ、データを維持し続ける場合、稼働中のDBインスタンスのスナップショットを取得して頂き、そのスナップショットから必要なエディションの新しいDBインスタンスを作成して下さい。その後、稼働し続ける必要がなければ、古いDBインスタンスを削除して下さい。もし稼働し続けた場合、そのインスタンスに関連する課金が発生し続けます。
License Mobilityモデルの場合、使いたいエディションに対応したライセンス条項に関するMicrosoft Product Use Rightsをご確認下さい。
オプションと機能
Amazon RDSはSQL Serverに対してどのようなタイプのレプリケーションをサポートしていますか?
AMazon RDS for MySQLはMulti-AZ配備とリードレプリカをサポートし、Amazon RDS for OracleはMulti-AZ配備をサポートし、リードレプリカをサポートしません。これらのオプションは現在Amazon RDS for SQL Serverでは利用できません。
Amazon RDS for SQL Server DBインスタンスに接続する際にWindows認証は利用できますか?
いいえ。現在、SQL Server認証のみがサポートされます。
Amazon RDS for SQL Serverではどのロールと権限が利用できますか?
ロールと権限に関しては、Roles and Permissionsをご確認下さい。
Amazon RDS for SQL Server DBインスタンス上ではAnalysis、Reporting、Integration、Master Data ServicesのようなSQL Serverコンポーネントを稼働させることはできますか?
現在は利用できませんが、Microsoftのライセンスポリシーに従ってAmazon EC2インスタンス上でこれらのコンポーネントを稼働させ、そこからAmazon RDS for SQL Server DBインスタンスにアクセスさせることが可能です。
Amazon RDSがSQL Serverデータベースの特定の機能をサポートすることをどのように知ることができますか?
SQL Serverはたくさんの機能をサポートしており、稼働中のSQL Serverのエディションに依存します。Amazon RDS for SQL Serverはコアデータベースエンジン機能の殆どをサポートしており、SQL Server Management Studioのような、お好みのデータベースクライアントからDBインスタンスに接続し、作業する事ができます。現在サポートしている機能に関する追加の情報は、Engine Featuresをご確認下さい。
DBエンジン・バージョン管理
SQL Server版のAmazon RDS DBエンジンのバージョンは何ですか?また、それらはSQL Serverサービスパックや累積パッチとどのような関係がありますか?
SQL Serverの場合、Amazon RDS DBエンジンのバージョンはA.B.C.D.Zでフォーマットされます。
- A.B = メジャーバージョン(例:10.50)
- C.D = リリースレベル(例:2500.0)
- Z = リリースシリーズ内のバージョン番号(例:v2)
例えば、SQL ServerのDB Engineバージョンは10.50.2500.0.v2のようになります。
(SQL Server 2008 R2または10.50のような)メジャーバージョンのリリース後は、Microsoftは累積更新パッケージ(CUP)をリリースする場合があります。さらに、CUPでの修正はサービスパック(SP)にまとめられます。CUPとSPはMicrosoftによって推奨されるセキュリティフィックスと追加フィックスが含まれます。
Amazon RDS DBエンジンバージョンは メジャーバージョンやサービスパックをベースラインとして構築されています。これらには累積更新パッケージ(CUP)と追加フィックスが含まれています。
Amazon RDSではメジャーバージョンまたはリリースレベルが変更になった場合は、バージョン変更はメジャー変更と考えます。例えば、10.50.1600.0.v1から10.50.2500.0.v1への変更はメジャーバージョン変更と考えられます。リリースのバージョン番号が変更になった場合は、バージョン変更はマイナー変更と考えます。例えば、10.50.2500.0.v1から10.50.2500.0.v2の場合です。
Amazon RDSではメジャーバージョン10.5(SQL Server 2008 R2)とバージョン11.00.2100.60(SQL Server 2012 RTM)が現在サポートされます。将来他のメジャーバージョンをサポートする予定です。
SQL ServerのDBエンジンバージョンを構成するパッチセットは何ですか?
現在、Amazon RDSはSQL Server 2008 R2とSQL Server 2012 RTMをサポートしています。SQL Server 2008 R2はSQL Server R2 Service Pack 1(build number 10.50.2789.0)の累積更新パッケージ 3で構成されています。このパッケージに関する情報は、Cumulative update package 3 for SQL Server 2008 R2 Service Pack 1をご確認下さい。SQL Server 2012は最初のrelease-to-manufacturing (RTM)バージョン、11.00.2100.60です。
DBインスタンスが新しいDBエンジンバージョンにアップグレードをコントロールすることは可能ですか?
Amazon RDSでは、DBインスタンスを構成するリレーショナル・データベース・ソフトウェアがAmazon RDSでサポートされる新しいバージョンへアップグレードを行うかどうか、いつ行うかをコントロールすることが可能です。特定のSQL Serverデータベースバージョンとの互換性を維持することが可能で、プロダクション環境にデプロイを行う前に、アプリケーションを新しいバージョンでテストすることが可能です。また、好きな条件と時間でバージョンの更新を行うことが可能です。
指定を行わない限り、DBインスタンスはAmazon RDSのサポートする新しいDBエンジンバージョンに自動的に更新されます。この更新はスケジュールされたMaintenance Windowの間に実施されます。また、更新に関しては予めAmazon RDSフォーラムでアナウンスされます。自動バージョン更新を実施したくない場合は、Auto Minor Version Upgrade設定をNoに変更していただく必要があります。メジャーバージョン更新は互換性のリスクが有るため、利用者が実施を許可しない限り発生しません。
データベースソフトウェアパッチのアプローチは、あなたをバージョン更新のドライバー席に乗せます。しかし、Amazon RDSへのパッチアプリケーションの作業からもちろん開放されます。
パッチがどのように行われるかに関してできるだけコントロールできるようにすることをAmazon RDSにおけるDBエンジンバージョン管理は目的としていますが、更新が致命的なセキュリティ脆弱性を解決する場合は、Amazon RDSは利益を優先してDBインスタンスにパッチをあてます。さらに、オペレーティングシステムのパッチはAmazon RDSエンジニアリングチームによって吟味され、Maintenance Windowの間にDBインスタンスに適用されます。automatic minor version upgradesが不可になっている場合も適用されます。これらのメンテナンスイベントはAmazon RDSフォーラムで予め2週間前に一般的にはアナウンスされます。
自分のDBインスタンスでサポートされているどのDBエンジンバージョンを動作させるかをどのように指定すればよいですか?
新しいDBインスタンスを作成する際に任意の現在サポートされているメジャー及びマイナーバージョンを指定することが可能です。AWS Management ConsoleとCreateDBInstanceコマンドのいずれを使った場合も指定することが可能です。
自動的なスケジュールされた更新を見合わせていて、しかし手動でサポートされているマイナーまたはメジャーバージョンにアップグレードを行い場合は、AWS Management ConsoleのAmazon RDSコンソールのDB Instancesリンクをクリックし、DBインスタンスのModifyオプションを用いて行うことが可能です。シンプルにEngine Version設定にアップグレードしたいバージョンを指定します。更新は(Apply Immediatelyフラグがセットされている場合は)即座にDBインスタンスに適用され、そうでない場合は次のスケジュールされたMaintenance Windowsの間に適用されます。
更新を行う前に新しいバージョンのDBインスタンスをテストすることは可能ですか?
はい。既存DBインスタンスのDBスナップショットを作成し、そのDBスナップショットから新しいDBインスタンスを作成し、その新しいDBインスタンスにバージョン更新を行います。プロダクションのDBインスタンスを更新するかどうかを決める前にDBインスタンスの更新済みクローンを用いて安全にテストを行うことができます。
SQL Serverのサポートしている新しいDBエンジンバージョンや廃止が予定されているサポートバージョンに関するガイドラインをAmazon RDSは提供していますか?
徐々に、我々はAmazon RDSのさらなるメジャー、マイナーのSQL Serverデータベースバージョンをサポートする事を計画しています。年内にサポートされる新しいバージョンのリリースの数はSQL Server累積更新パッケージ(CUP)の頻度やコンテツ、我々のデータベース・エンジニアリング・チームによるリリースの吟味を通じた成果物によって変動します。
廃止に関するポリシーについては、我々の考えは下記のようになっています:
- Amazon RDSによって最初にサポートされてから3年間メジャーバージョンリリースのサポートを予定しています。
- Amazon RDSによって最初にサポートされてから少なくとも1年間はマイナーSQL Serverバージョン(例えば10.50.2500.0.v2)のサポートを予定しています。
- メジャーとマイナーバージョンが廃止された後は、スケジュールされたMaintenance Windowの間に自動的な更新が適用される前にあなたがサポートされているバージョンに更新を行えるように3ヶ月の猶予期間を提供する予定です。